遺族年金の手続きと未支給年金の請求:受け取れるお金を取り漏らさない
遺族年金の手続きと未支給年金の請求:受け取れるお金を取り漏らさない
亡くなった家族が年金を受給していた場合、放置すると二重の損失が発生する。一つは受給停止の届け出を忘れて過払いとなり、後で返納を求められること。もう一つは、本来受け取れる「未支給年金」や「遺族年金」を請求せずに消滅時効を迎えること。手続きの順番と期限を正確に把握することが必要だ。
死亡後すぐに行う年金受給停止
まず最初に行うべき手続きが、故人の年金受給を停止する届出だ。年金は死亡した翌月から受給権が消滅するが、自動的には停止されない。停止届を出さないまま振込が続くと、後で返納を求められる。
| 年金の種類 | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 厚生年金 | 死亡後10日以内 | 年金事務所 |
| 国民年金 | 死亡後14日以内 | 市区町村役場または年金事務所 |
マイナンバーが年金情報に収録されている場合は、届出が不要なケースもある。年金証書や年金手帳に記載されている基礎年金番号を確認し、年金事務所に問い合わせて確認するのが確実だ。
未支給年金の請求
年金は「後払い」の制度だ。例えば、2月に亡くなった場合、12〜1月分の年金は3月に支払われるはずだったが、死亡によって支払われていない状態になる。この「亡くなった時点で受け取るべきだった未払いの年金」を「未支給年金」と呼ぶ。
未支給年金は遺族の固有の財産ではなく、「被相続人に代わって受け取る」性格のものであるため、相続財産には含まれない。ただし、受け取った遺族側の「一時所得」として所得税の対象になることがある。
請求できる遺族の優先順位
未支給年金を請求できる遺族の範囲と優先順位は、生計同一関係にある以下の順序で決まる。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 三親等内の親族
「生計同一」とは、必ずしも同居していることを意味しない。別居していても、生活費の仕送りがあった場合や、音信往来が密であった場合も生計同一と認定される場合がある。年金事務所に提出する「生計同一関係に関する申立書」で証明が必要になる。
請求期限
未支給年金の請求期限は、死亡した日の翌日から5年以内だ。5年を過ぎると時効により請求権が消滅する。
必要書類
- 未支給年金請求書(年金事務所・市区町村役場で入手)
- 故人の年金証書
- 故人の死亡を証明する書類(戸籍謄本または除籍謄本)
- 請求者の戸籍謄本(故人との続柄を証明)
- 生計同一関係に関する申立書(別居の場合)
- 請求者の振込先口座情報
遺族年金の種類と受給要件
遺族年金は大きく2種類に分かれる。
遺族基礎年金
国民年金(基礎年金)に加入していた被保険者が死亡した場合に支給される。
受給できる遺族(いずれかの条件を満たす場合):
- 死亡した人に生計を維持されていた「子のある配偶者」
- 死亡した人に生計を維持されていた「子」
ここでいう「子」とは、18歳になった年度末(3月31日)までの子、または障害がある場合は20歳未満の子を指す。
年金額(2024年度):
- 子のある妻・夫:816,000円/年(2人目の子以降は加算あり)
子のいない配偶者には遺族基礎年金は支給されない点が重要だ。
遺族厚生年金
厚生年金(会社員や公務員の年金)に加入していた被保険者が死亡した場合に支給される。
受給できる遺族(いずれかの条件を満たす場合):
- 死亡した人に生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母
受給の優先順位は「配偶者・子>父母>孫>祖父母」の順。
年金額:死亡した人の厚生年金加入期間と報酬をもとに計算した額の4分の3。会社員として長く勤めていた場合は遺族厚生年金額も高くなる。
配偶者の年齢要件:
- 夫が死亡した場合、妻の年齢制限はない
- 妻が死亡した場合、夫は55歳以上でなければ受給できない(ただし、子がいる場合は例外あり)
受給要件(保険料納付条件)
遺族年金を受給するには、死亡した被保険者が「保険料の納付要件」を満たしていることが必要だ。主な要件は以下の通り。
- 死亡日の前々月までの1年間に、保険料の未納がないこと(短期要件)
- または、保険料の納付期間(免除期間含む)が加入可能期間の3分の2以上であること(原則要件)
遺族年金の請求手続き
提出先:年金事務所(厚生年金の場合)または市区町村役場(国民年金の場合)
必要書類(共通):
- 遺族年金請求書
- 被相続人の年金証書
- 死亡診断書(コピー)または除籍謄本
- 請求者と死亡者の続柄を証明する戸籍謄本
- 生計同一関係に関する申立書
- 請求者の振込口座情報
請求期限:5年以内(時効消滅に注意)
葬儀後の各種手続きの全体像については、こちらのガイドを参照してほしい。
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