戸籍の郵送請求のやり方|改製原戸籍・定額小為替・転籍の追いかけ方
相続手続きで最も多くの人がつまずくのが、「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本」の収集です。本籍地が何度も変わっていたり、昭和の改製(コンピューター化)で戸籍が分かれていたりすると、3〜5カ所の役所から取り寄せる必要があり、すべて郵送で行うと1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
この記事では、遠方の役所から戸籍を郵送請求する手順と、改製原戸籍や転籍の追いかけ方を具体的に解説します。
郵送請求に必要なもの
封筒に入れるものは、以下の4点です。
1. 戸籍交付請求書
各役所の公式サイトからダウンロードできます。「〇〇市 戸籍 郵送請求」で検索すると、請求書のPDFが見つかります。
請求書の「請求理由」欄には、以下のように具体的に記載すると、役所側で必要な戸籍をまとめて特定してくれます。
「亡○○(被相続人氏名)の相続手続きに必要です。貴庁で管理している被相続人のすべての戸籍(除籍謄本、改製原戸籍を含む)の交付をお願いします。」
2. 定額小為替(ていがくこがわせ)
戸籍の郵送請求は、現金ではなく定額小為替で手数料を支払います。郵便局の窓口で購入できます(1枚あたり200円の手数料が別途かかります)。
| 戸籍の種類 | 手数料 |
|---|---|
| 戸籍謄本(全部事項証明書) | 450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍 | 750円 |
コツ:多めに同封する。 何通の戸籍が出てくるか事前にはわからないため、750円×3枚=2,250円分程度を多めに入れておきます。余った分は定額小為替で返送されるか、切手で返金されます(役所による)。不足すると「追加の小為替を送ってください」と連絡が来て、往復がもう1回増えます。
3. 本人確認書類のコピー
運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)などのコピー1枚。
4. 返信用封筒
長形3号封筒に自分の住所・氏名を書き、切手を貼ります。戸籍が複数通になる可能性があるため、角形2号封筒(A4サイズ)に140円分の切手を貼っておくと安心です。重量超過の場合は「不足分受取人払い」で届くこともありますが、事前に多めの切手を貼っておくほうがスムーズです。
改製原戸籍とは
「改製原戸籍(かいせいげんこせき)」は、戸籍制度の改正(コンピューター化等)によって作り替えられる前の古い戸籍のことです。
日本の戸籍は過去に複数回の大規模改製が行われています。
- 昭和32年改製:家単位の戸籍から夫婦単位の戸籍へ
- 平成6年改製:紙の戸籍から電子化(コンピューター化)
改製によって新しい戸籍に移記されなかった情報(死亡した子の記載など)があるため、相続手続きでは現在の戸籍だけでなく、改製原戸籍も必ず取得する必要があります。「すべての戸籍」と請求すれば、役所が改製原戸籍も含めて交付してくれます。
転籍の追いかけ方(本籍地のたどり方)
被相続人が結婚・転居などで本籍地を移している場合、戸籍が複数の役所に分散しています。追いかけ方は以下の通りです。
ステップ1:最後の本籍地で戸籍を取得
死亡時の本籍地がわかっていれば、そこから取得を開始します。わからない場合は、住民票の除票(本籍地の記載あり)を取得すれば確認できます。
ステップ2:取得した戸籍の「従前戸籍」を確認
戸籍謄本の冒頭には、どこから転籍してきたかが記載されています。「○○県○○市から転籍」の記載があれば、次はその市区町村に郵送請求します。
ステップ3:出生時の戸籍にたどり着くまで繰り返す
最終的に、被相続人が出生時に記載された戸籍(通常は父親の戸籍)にたどり着けば、「出生から死亡までの連続した戸籍」が揃います。
典型的なパターンでは、3〜5通(2〜4カ所の役所)で完了します。ただし明治・大正生まれの方は本籍地の移動が多く、10通以上になるケースもあります。
無料ダウンロード
Japan — End-of-Life Planning Checklistを入手
この記事の内容を印刷可能なチェックリストに — 行動プランとリファレンスガイド付きで、今日からすぐに使えます。
戸籍の広域交付制度との使い分け
2024年3月から始まった広域交付制度を使えば、最寄りの市区町村窓口で全国の戸籍を一括請求できます。ただし以下の制限があります。
- 本人が窓口に行く必要がある(代理人による請求は不可)
- コンピューター化されていない古い戸籍は対象外の場合がある(自治体による)
広域交付で取れるものは広域交付で取り、対象外の改製原戸籍だけを郵送請求する——という併用が最も効率的です。
戸籍収集は相続手続き全体の基礎になる作業です。相続登記、銀行口座の解約、相続放棄など、すべての手続きで繰り返し必要になります。手続き全体の工程表と書類チェックリストは、終活の総合ガイドをご活用ください。
Japan — End-of-Life Planning Checklistを無料で受け取る
Japan — End-of-Life Planning Checklistをダウンロード — チェックリスト・テンプレート・行動プランを収録した印刷可能なガイドで、今日からすぐに使えます。