死亡後の役所手続き一覧:14日以内に動かないと消える給付金がある
死亡後の役所手続き一覧:14日以内に動かないと消える給付金がある
身内の葬儀が終わったあと、「役所の手続きはいつやればいいのか」と先送りにする方が多い。しかし、死亡後の行政手続きには厳格な期限が設けられており、窓口を誤ったり、書類が揃っていなかったりするだけで何度も役所に通う羽目になる。そして最も見落とされやすいのが「申請しないと自動的に消える給付金」の存在だ。健康保険からの埋葬料・葬祭費や、死亡前の高額療養費の還付は、申請期限が過ぎれば一円も受け取れなくなる。
死亡後14日以内に役所で行う手続き一覧
死亡後に役所・関係機関で行う手続きを期限ごとに整理する。
7日以内(最優先):
- 死亡届の提出:戸籍法第86条に基づき、死亡を知った日から7日以内(国外死亡の場合は3か月以内)に提出義務がある。提出先は死亡地・本籍地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場。遅延すると5万円以下の過料が科される。
- 火葬許可証の取得:死亡届と同時に「火葬許可申請書」を提出すれば即日交付される。火葬許可証なしの火葬は墓地埋葬等に関する法律第5条で違法。
10日以内:
- 厚生年金の受給停止:故人が厚生年金を受給していた場合、死亡から10日以内に日本年金機構または年金事務所へ届出を行う。マイナンバーが収録されている場合は省略できることがある。
14日以内:
- 国民年金の受給停止:死亡から14日以内に届出。
- 国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証の返納:住所地の市区町村役場の窓口へ返納する。
- 介護保険被保険者証の返納:同じく市区町村役場へ返納。
- 世帯主変更届の提出:故人が世帯主で、残された世帯員に15歳以上の方が2名以上いる場合に提出が必要。誰が新しい世帯主になるかが明らかな場合は不要なこともある(役所に確認する)。
これらの手続きは、窓口の管轄が市区町村役場・年金事務所・社会保険事務所と分かれている。一か所で全部済む「おくやみ窓口」を設置している自治体もあるが、設置していない自治体では複数の窓口を個別に回る必要がある。
埋葬料・葬祭費:申請しなければ受け取れない5万円
死亡に伴い、健康保険や国民健康保険から一定の給付金が支給される。いずれも自動的に支払われることはなく、申請が必要だ。
会社員・公務員の健康保険(被用者保険)の場合:埋葬料
故人が健康保険(協会けんぽ・組合健保)の被保険者だった場合、埋葬を行った家族(埋葬料)または実際に埋葬した者(埋葬費)に対して一律5万円が支給される。申請期限は死亡日の翌日から2年以内。協会けんぽの場合は管轄の都道府県支部へ申請する。
被保険者の被扶養者が亡くなった場合(家族埋葬料)も同額の5万円が支給される。こちらは被保険者(会社員本人)が申請する。
国民健康保険・後期高齢者医療制度の場合:葬祭費
国民健康保険または後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合、葬祭を行った喪主(葬儀施行者)に「葬祭費」が支給される。金額は市区町村により異なるが、多くの自治体で3万円から7万円程度(5万円が標準的)。申請先は故人の住所地の市区町村役場。申請期限は死亡日の翌日から2年以内(自治体により異なる)。
申請に必要な書類は、葬儀領収書(喪主氏名が明記されているもの)、会葬礼状(ある場合)、振込口座情報、印鑑証明書または本人確認書類が一般的だ。葬儀社から受け取った領収書は、必ず「喪主:氏名」が記載されているか確認しておく。
高額療養費の死亡後申請:相続人が2年以内に請求できる
故人が死亡前の数か月に高額な医療費を払っていた場合、「高額療養費」の還付請求権は相続財産として相続人が引き継ぐ。本人が生前に申請していなければ、相続人が代わりに申請することで還付を受けられる。
高額療養費とは、1か月の医療費自己負担額が一定の上限(所得に応じて異なる)を超えた場合に、超過分が後日還付される制度だ。入院や手術が多かった場合、数万円から数十万円規模の還付になることもある。
申請先は、故人が加入していた医療保険の保険者(協会けんぽ・国民健康保険課等)。申請期限は診療月の翌月1日から2年以内。故人の医療費の領収書を確認し、高額な月があれば早めに確認・申請する。
申請には故人の医療費領収書、保険証(返納前にコピーを取る)、相続人であることが確認できる書類、振込口座情報が必要だ。
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窓口たらい回しを防ぐ:一度で済ませるための持参書類まとめ
役所に複数回通うことになる最大の原因は、「書類が足りなかった」ことだ。以下の書類を事前に揃えてから役所に向かうと、主要な手続きを1〜2回の訪問で完了しやすい。
共通して使い回せる書類:
- 故人の死亡診断書のコピー(複数枚)——死亡届提出前に10枚以上コピーしておくこと
- 故人の保険証(国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証)
- 届出人の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証等)
- 届出人の印鑑(認印で可の手続きが多いが、実印が必要な場合もある)
- 故人のマイナンバーカードまたは番号確認書類
給付金申請に追加で必要なもの:
- 葬儀領収書(喪主名が記載されているもの)
- 振込口座情報(申請者の通帳またはキャッシュカード)
- 故人の医療費領収書(高額療養費申請の場合)
複雑な相続手続きが始まる前に、まず死亡後の公的手続きと給付金申請を確実に済ませることが大切だ。申請期限が2年と長い給付金も、気づかないまま時効を迎えるケースが多い。日本の葬儀・相続手続き完全ガイドでは、役所手続きのタイムラインと給付金申請のチェックリストをまとめているので、手続きの抜け漏れ防止にぜひ活用してほしい。
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