ゆうちょ銀行の相続手続き — 口座凍結の解除と必要書類
ゆうちょ銀行の相続手続き — 口座凍結の解除と必要書類
親が亡くなると、ゆうちょ銀行の口座は凍結される。光熱費の引き落としが止まり、葬儀代の支払いにも困る。ゆうちょ銀行は全国に約24,000の窓口を持つ日本最大の金融機関であり、多くの高齢者が口座を保有しているため、相続手続きの対象になる頻度が高い。
口座凍結のタイミング
ゆうちょ銀行が口座を凍結するのは、相続人からの届出や連絡があった時点だ。死亡届を市区町村に提出しただけでは自動的に凍結されない。ただし、新聞のお悔やみ欄や葬儀の案内から銀行が知る場合もある。
凍結されると、入出金・振替・引き落としがすべて停止される。公共料金や保険料の引き落とし口座に指定している場合は、早急に名義変更または口座変更の手続きが必要になる。
手続きの流れ
ステップ1:相続の届出。最寄りのゆうちょ銀行窓口または郵便局の貯金窓口に、口座名義人が亡くなったことを届け出る。窓口で「相続確認表」を受け取り、記入して提出する。
ステップ2:必要書類の案内。届出内容をもとに、ゆうちょ銀行から必要書類の案内が届く(通常1〜2週間)。相続の状況(遺言の有無、相続人の人数等)によって必要書類が異なる。
ステップ3:書類の提出。案内に従って必要書類一式を窓口に提出する。
ステップ4:払い戻し。書類に不備がなければ、提出から1〜2週間程度で、指定の口座に払い戻しが行われる。
必要書類(遺産分割協議書がある場合)
- 相続払戻請求書(ゆうちょ銀行所定の用紙、相続人全員が署名・実印押印)
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本一式
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑登録証明書(発行から6ヶ月以内)
- 遺産分割協議書
- 被相続人の通帳・証書・キャッシュカード
- 払い戻しを受ける相続人の本人確認書類
法定相続情報一覧図の写しがあれば、戸籍謄本一式の提出を省略できる。複数の金融機関で同時に手続きを進めるなら、一覧図の活用を強くすすめる。
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仮払い制度の活用
遺産分割協議が整う前でも、民法第909条の2に基づく「預貯金の仮払い制度」を利用すれば、各相続人が単独で一定額を引き出せる。
計算式は「口座残高 × 1/3 × 法定相続分」で、1金融機関あたりの上限は150万円だ。たとえば残高600万円で配偶者(法定相続分1/2)の場合、600万 × 1/3 × 1/2 = 100万円を単独で引き出せる。
仮払いに必要な書類は通常の相続手続きとほぼ同じだが、遺産分割協議書は不要だ。葬儀費用や当面の生活費に充てる場合に有効な制度だが、引き出した資金を相続財産の処分とみなされると相続放棄ができなくなるリスクがある点に注意が必要だ。
ゆうちょ銀行を含む各金融機関の手続きの最適な進め方は相続手続きガイドに収録している。
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