相続税の申告を自分でやる方法 — 準確定申告から10ヶ月の本申告まで
相続税の申告を自分でやる方法 — 準確定申告から10ヶ月の本申告まで
相続が発生すると、2つの税務申告が必要になる可能性がある。被相続人の所得に対する「準確定申告」(4ヶ月以内)と、遺産に対する「相続税の申告」(10ヶ月以内)だ。税理士に依頼すると遺産額の0.5〜1%程度の報酬がかかるが、シンプルなケースであれば自分で申告することも可能だ。
準確定申告とは
準確定申告とは、亡くなった人の死亡年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わりに確定申告を行う手続きだ。
期限:相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内
必要なケース:被相続人が生前に確定申告をしていた場合(自営業・不動産収入・年金収入が400万円超など)
不要なケース:年金収入のみで400万円以下、源泉徴収で完結している場合
提出先は被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署。申告書には相続人全員の署名が必要で、各人の連署方式または各自が個別に申告する方式を選べる。
医療費控除は死亡日までに支払った医療費が対象となる。死亡後に支払った医療費(入院費の精算など)は準確定申告では控除できないが、相続税の計算では「債務」として差し引ける。
相続税の申告
期限:被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内
申告が必要な場合:遺産の課税価格が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数)を超える場合
基礎控除の範囲内であれば申告は不要だ。ただし、配偶者控除や小規模宅地等の特例を適用して税額がゼロになる場合は、特例の適用を受けるために申告書の提出が必要になる。
自分で申告できるケースの判断基準
以下の条件をすべて満たす場合は、自分で申告しても十分に対応できる。
- 遺産が主に自宅の土地・建物と預貯金で構成されている
- 相続人全員の合意が取れており、遺産分割でもめていない
- 非上場株式や海外資産がない
- 相続時精算課税制度を利用した贈与がない
一方、非上場株式の評価、複数の不動産の評価減、海外資産がある場合は、税理士への依頼を検討すべきだ。
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申告書の作成手順
国税庁のウェブサイトには相続税の申告書の様式と記載例が公開されている。
第1表:各相続人の氏名・住所・取得財産・税額を記載する総括表 第11表:各種財産の明細(不動産、預貯金、有価証券等) 第13表:債務・葬式費用の明細 第15表:相続財産の種類別価格表
不動産の評価は「路線価方式」(市街地)または「倍率方式」(郊外)で計算する。路線価は国税庁のウェブサイトで公開されている。
期限を過ぎた場合のペナルティ
10ヶ月の申告期限を過ぎると、以下の加算税・延滞税が課される。
- 無申告加算税:本来の税額の15〜20%
- 延滞税:納期限の翌日から年利2.4%〜14.6%(年度により変動)
さらに、配偶者控除や小規模宅地等の特例は、原則として期限内申告でなければ適用できない。
相続税申告の具体的な計算手順と節税ポイントは相続手続きガイドに収録している。
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